FIDESレター 2024年12月号
年末年始に向けて強化しよう 火災&盗難対策
その消火器、正しく設置されていますか?
年末年始は火災が発生しやすい時期なので要注意!普段何気なく目にしている消火器について、改めて見直してみましょう!
消火器の種類と設置
消火器はA火災・B火災・C火災のような「火災種別」と、粉末系・水系・ガス系のような「消火器種別」の特性、薬剤の主成分などを鑑みて選ぶ必要があります。(左図参照)また、消火器の設置間隔や設置高さなどを考慮し、本体の転倒防止などの装置を講じることが大切です。
消火器の設置間隔と高さ
消火器の設置間隔は各防火対象物・部分からの歩行距離が20m以下になるよう設置する必要があります。(消防法施行規則第6条《大型消火器以外の消火器具の設置》)また、設置の高さは床面から1.5m以下の場所に消火器の「上端」が収まるように設置します。(消防法施行規則 第9条《消火器具に関する基準の細目》)
専用スタンドが必要です!
消火器は専用のスタンドが必要になります。スタンドは消火器の転倒防止、設置場所の明確化、使用方法を伝えるために有効なので、消火器本体を直置きにしないようにしましょう。
火を使用するすべての飲食店に消火器の設置が義務化されました
2016年12月に発生した「糸魚川市大規模火災」を受け、小規模飲食店での初期消火と火災拡大防止のため、消火器設置基準が改正され、2019年10月に施行されました。従来は延べ面積150㎡以上の飲食店が対象でしたが、改正後は150㎡未満でも火を使用する小規模飲食店に消火器の設置が義務付けられました。(右記のような装置があれば、消火器の設置は免除されます)
旧規格の消火器は取り替えましょう
旧規格の消火器は、技術基準の改正に伴い型式が失効しており、2022年1月1日以降は法的に「消火器」として認められなくなりました。そのため、設置義務のある建物では、未交換の旧規格品は消火器が未設置の状態と見なされ、法令違反となる可能性があります。より安全で確実な火災対応を保証するため、旧規格の消火器があった際は、速やかに新規格の消火器に交換しましょう。
消火器には期限があります
メーカーが推奨する消火器の設計標準使用期限は、一般的に10年です。新規格の消火器には「設計標準使用期限」(右記参照)が記載されていますが、この表示がない消火器は旧規格の消火器になるため、早めの交換が必要です。
年末年始は盗難や強盗にもご注意を!
年末年始は誰もいない建物へ侵入する空き巣や、古い建物などを狙った強盗被害が増えることが予想されます。近年は計画的に犯行を行うプロによるものだけでなく、正月に向けて稼ぎたい素人による、いわゆる「闇バイト」による犯行も増えているので注意が必要です。
企業向け防犯対策
被害をなくす為に何が出来るのでしょうか?ここでは長期休暇期間中に、企業が実施できる防犯対策をご紹介します。
防犯カメラの設置(駐車場や入口など)
駐車場や入口などに防犯カメラを設置することで、侵入者への威嚇効果や、万が一の時の状況証拠を確保することができます。
資材を屋外に置かない
屋外に置かれている資材や工具、廃材金属類などの盗難被害が多発しています。放火などの危険もあるため、なるべく屋内にしまうようにしましょう。
足場になるものを外に置かない
泥棒が建物内に侵入する原因となるので、足場として利用されそうな物が窓の近くにある場合は、片付けるなどをして対策しましょう。
フリートーク・コラム「今年の振り返りと『再生』と『変化』への歩み」
二〇二四年も師走を迎え、皆様におかれましては、多忙な年末をお過ごしのことと存じます。今年一年、皆様にとってどのような年であったでしょうか。私たちは今年も様々な試練と向き合い、それを乗り越えて成長を続けることができました。ここで一年を振り返りつつ、未来に向けた希望を語らせていただきます。
今年、日本では地震や台風、豪雨などによる大規模な自然災害の影響が顕著となりました。これにより、住宅や社会インフラが甚大な被害を受け、多くの方々が生活の基盤を失ったことは、記憶に新しいところです。このような災害が人々の生活や社会の安定に大きな影響を与えることを痛感するとともに、改めて防災対策の重要性を認識したことと思います。国や地方自治体、企業が一体となって、災害に強い街づくりやインフラの強化に取り組む必要性が再確認されたのではないでしょうか。
また、経済的な面でも今年は試練の多い一年でした。世界的なインフレの影響でエネルギー価格や輸入コストが上昇し、多くの企業や家庭が厳しい経済状況に直面しました。特にエネルギー価格や建設資材の高騰は、企業活動にも影響を与え、お客様に負担を強いる状況が続きました。
他にも、少子高齢化が進む昨今、労働力不足が引き続き課題となる中、技術革新やデジタル化の進展が社会に新たな可能性をもたらしました。外国人労働者の受け入れ拡大や自動化技術の導入、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速が、企業の生産性向上に寄与しています。AIやIoT技術の普及は、業務効率化を推進し、行政サービスのデジタル化も加速しました。こうした流れは、国民の生活をより便利にすると同時に、経済成長の新たな契機をもたらしました。
来る二〇二五年は巳年を迎えます。巳年は「再生」と「変化」を象徴するとされ、古来より蛇が脱皮を繰り返すことから新たな成長や知恵の象徴として親しまれています。この年を機に、私たちは新たな挑戦と飛躍を目指し、既存の成果をさらに進化させる準備を進めていく所存です。また、巳年は「財運」の向上が期待される年とも言われています。皆様のビジネスの成功と繁栄を願い、私たちもその一助となるべく尽力いたします。
二〇二五年が皆様にとって、成長と繁栄を象徴する輝かしい一年となるよう、私たちフィデスは柔軟な対応力をもって皆様の設備の維持管理を支援し、社会に貢献してまいります。どうか二〇二五年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。
今月の担当は…
取締役 マネージャー
林 浩
それってドーシテ?「こけら落とし」のドーシテ?
フィデス社長コラム
『経営の原点』から並木鷹男会長を偲ぶ(6)
1996年6月、いよいよアメリカ視察旅行が決行されました。ほとんどの社員にとってアメリカ訪問は初めての経験でした。ロサンゼルス空港に到着するやいなや、アメリカの近代的な建物や広大な敷地を目の当たりにし、日本とのスケールの違いに参加者一同、時差ぼけもぶっ飛びました。
目的は「アメリカ的な現場管理」を肌で感じことであったので、早速、わが社と同規模の電気工事会社を訪問しました。ハリウッド映画で見るようなオフィスは、一人ひとりのスペースがパーティションで仕切られており、デスクには家族写真が飾られています。働く人たちはオフィスカジュアルでリラックスした雰囲気でした。実際に使用されている施工図をねだったり、オフィスの引き出しを見せてほしいとお願いしたり、アメリカの電気設備工事への興味が抑えられませんでした。アメリカの建設業界について質問する中で、特に印象的だったのは、「下請け」という概念がなく、施工範囲や業種毎に契約でしっかり決められていることでした。
視察の翌日は、日本で活用できる資材や工具などを探すために、全社員でホームデポという大型のホームセンターへ向かいました。アメリカの建設業者で働く方々は、ホームデポでその日の材料を調達し、現場へ向かうというスタイルでした。資材の調達、現場のマネージメント、働き方など、すべてにおいて現状の日本でも追いつけていない部分があると感じます。
視察が終わり、いよいよお楽しみの観光です。ラスベガスには、駅や空港にもスロットルマシンが並び、街全体が巨大なゲームセンターのようでした。カジノやショッピング、観光と、全社員で深夜までロサンゼルスを堪能しました。
楽しい時間が過ぎるのはとても早いものです。全社員をサンフランシスコ空港で見送った後、並木会長(当時社長)と共にサンフランシスコからロサンゼルスまで、1,200kmを車で走破する珍道中がスタートしました。帰国便の時間しか決まっていないノープランで、ホテルもルートも行き当たりばったり、テレビさながらの冒険旅行でした。当時50歳だった並木会長は血気盛んで、「もっと見たい!もっと知りたい!」という探求心で溢れ、私はついていくのに必死でした。建設ラッシュのカルフォルニア州を巡り、誰もいない建設現場を見つけては勝手に潜り込み、施工方法や資材など隅々まで観察し、合理的なシステムに二人して感銘を受けたのでした。(コンプライアンス違反ですが、時効ということでご容赦を)
もう一つの目的であった「伝説のサービス」を提供すると言われた空調設備工事会社デマール社に電話でアポ取りするも会話が成り立たず、それならいざ突撃しようと地図を頼りに探し回ったが、たどりつけず泣く泣く断念。ホテルでは「アメリカって合理的だな」「もっと良い会社にしよう」などと語り合い、いつの間にか眠りに落ちるという日々が続きました。
アメリカ視察を通じて、先進的な労働環境や建設業界のシステムに触れ、得た刺激や学びは計り知れません。わが社の企業改革のターニングポイントであったと感じます。次回からは、企業改革の舞台裏をお話しします。
2024年は、わが社においては、並木会長の急逝により大きな悲しみを受けました。並木会長の思いを胸に、社員一同でより良いサービスをご提供する為に邁進してまいる所存です。本年もご厚誼を賜り誠にありがとうございました。
フィデス株式会社
社長 細矢 充
社員一同