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こんなときどうする?冬のエアコントラブル -FIDESレター【2025年2月号】

FIDESレター 2025年2月号

こんなときどうする?冬のエアコントラブル

こんなときどうする?冬のエアコントラブル

寒い日に限ってエアコンが効かないのはなぜ?

冬の寒い日や雪の日にエアコンをつけても、なかなか暖まらない場合があります。エアコンの暖房運転をONにしたのに、なぜか室内機からは冷たい風しか出てこない…という経験をした方もいるのではないでしょうか。今回はその原因と対処法についてご紹介します。

寒い日に限ってエアコンが効かないのはなぜ?

エアコンは寒さに弱い機械

エアコンは寒さに弱い機械

一般的なエアコンの暖房機能は、室内機と室外機の間で行われる「熱交換」のしくみで動いています。室内を暖めるには室外機内部にある熱交換器を冷やす必要がありますが、外気温が低いほど室外機を十分に冷やすことが難しくなり、それに伴い室内を暖めるパワーも低下してしまいます。  室外機の熱交換器に霜が付くと、霜が熱交換器の空気の吸い込みを妨げ、暖房能力が低下してしまうため、それを防ぐ目的で霜取り運転が行われます。その結果、頻繁に霜取り運転が行われることで、エアコンを稼働させていても部屋がなかなか暖まらない状況になることがあります。

エアコンの「霜取り運転」が原因かも

霜取り運転は「デフロスト」とも呼ばれており、一時的に通常の暖房運転とは逆の動作を行い、室外機内部の熱交換器を暖めることで霜を溶かします。霜取り運転を開始してからしばらくすると、霜が溶けてなくなり、その後通常の暖房運転が再開しますが、霜取り運転中は室内機から暖かい風が出てこないため、故障したのではないか、と誤解されることも多いのです。

エアコンの「霜取り運転」が原因かも

冬場のエアコンが効かない時の対処法

暖房の設定温度を下げる

エアコンの暖房運転をして部屋が暖まらないと、つい設定温度を高くしてしまいがちですが、暖房運転の設定温度を少し下げることで霜が付きにくくなり、霜取り運転の頻度を減らすことができます。その結果、部屋が暖まるまでの時間を短縮できる可能性があります。(ただし、設定温度を20℃以下など極端に下げすぎると、エアコンが正常に動作しなくなる場合がありますので注意が必要です)

能力の高いエアコンに更新する

エアコンが室内の広さや環境に合った能力ではないことも考えられます。畳数の表記に合っているものを利用していても、エアコンは冷房能力より暖房能力の方がわずかに低いので、同じ畳数の能力のエアコンでも、冷房と暖房でカバーできる範囲に差が生じてしまいます。また、エアコンを10年以上利用している場合、本体の能力や機能が劣化している可能性もありますので、更新を検討しましょう。

室外機周りを片付ける

室外機の周りにモノやゴミ、または雪などが積もっていませんか?吸込口がふさがっていると、室外機から吹き出された冷たい空気を室外機が再び吸い込んでしまう「ショートサーキット」という現象が起こります。すると屋外の熱を効率よく取り込むことができず、電気代が高くなってしまうばかりか、暖房運転が停止してしまうこともあるので要注意です。室外機の吸込口周りは最低でも30cmのスペースを確保しましょう。

室外機に屋根を設置する

積雪の対策として、簡易的な屋根を設置したり、防雪フードを取り付けるのも効果的です。また、室外機を地面よりも高い位置に設置しておくと、積雪した際に吹出口が塞がれにくくなります。ただし、配管や機器が破損する恐れがあるので、すでに設置されている室外機をご自身で移動させないでください。室外機を移動させたい場合は、弊社のような専門の業者に依頼するようにしましょう。

やってはダメ!NGな対処法

NG1 室外機にお湯(熱湯)をかける

室外機についた霜や雪を溶かすために熱湯をかけてしまうと、急激な熱変化や熱膨張などによって室外機内部にある部品を破損してしまう可能性があります。部品が破損すると故障したり、場合によっては買い換えが必要になるかもしれませんので、熱湯をかけることは絶対にしないでください。

NG2 霜取りスプレーを吹きかける

自動車のフロントガラスなどに霜がついた時に使用する市販の霜取りスプレーは、エアコンの室外機用のものではないため、使用しないでください。霜取りスプレーにはガスが含まれており、室外機内部には強力な電流が流れているため、最悪の場合、室外機内部に引火し火災に繋がる可能性があり、非常に危険です。

低温暖房能力もチェック!

低温暖房能力もチェック!

「低温暖房能力」とは、外気温が2℃のときにエアコンが最大でどれくらいの暖房能力を発揮できるかを示す数値です。この数値が大きいほど多くの熱エネルギーを生み出すことができるため、外気温が低い冬場でもパワフルな暖房性能を発揮します。通常、カタログなどに記載されているエアコンの暖房能力は〈外気温7℃/室温20℃〉の条件下での能力を表示しています。そのため、冬場に安定した暖房性能を求める場合は、この低温暖房能力の値が大きいエアコンを選定すると良いでしょう。

フリートーク・コラム「仕事も趣味も全力で挑む」

Fides Freetalk Formation

並木会長がご逝去されてから半年の月日が経ちました。会長は常に時代の流れや社会の変化を先見し、「お客様により良いサービスを提供するにはどうすれば良いか」という問いに対して、現状に満足することなく、新しい価値を創造し、常に一歩先を見据えて物事を考えておられました。時に厳しく、時には優しく温かく私たち社員一人ひとりに真摯に向き合ってくださいました。そして何より、社員やその家族の幸せを心から願ってくださりました。本当に感謝しかありません。


十数年前、私が入社して間もない頃、ある高級マンションの空調改修工事の案件を、当時の並木社長(会長)から任されました。住民説明会を開催してプレゼンを行い、入居者様が施工業者を選定するという内容でした。当日は並木社長、細矢マネージャー(現社長)、そして私の三名でプレゼンに臨みました。厳しい質問を受け、私が答えられず困る場面も多々ありましたが、並木社長は「大丈夫です。我が社には電気、空調、給排水の優秀な技術者が揃っていますので、安心してお任せください!何かお困りのことがあれば、直接お電話をください!」と自信を持って説明してくださいました。その結果、八十八世帯中の約七割を弊社で受注することができました。並木社長から「鶴岡さん、凄いじゃないか!これだけ受注できればたいしたものだ!」と頂いたお褒めの言葉は、今でも私の胸に焼き付いています。


仕事以外の話になりますが、私は車や旅行が趣味です。並木会長も車やバイクを愛されており、趣味についてもっとお話しする機会があればと悔やまれます。ですが、並木会長の影響で新たに「バイク」という趣味を持つことができました。会長がご逝去され、会長を送る会が開催された際、会長がこよなく愛したバイクや愛用の品々が展示されました。更に会長のバイク仲間の皆さんが大勢集まり、バイクの思い出話を伺い、沢山の写真を拝見させて頂き、いくつになっても趣味を持ち続け楽しむ姿に「なんてかっこいいんだ!」と感銘を受けました。このことがきっかけになり、私もバイクに挑戦することを決意しました!昨年の七月後半から教習所に通い、十月上旬に念願の大型自動二輪免許を取得、十一月初旬にはバイクを手に入れました。そしてそのバイクで真っ先に、会長のご自宅前を走り、『会長っ!バイクの免許を取得しました!』と心の中で叫びながらご報告しました。きっと会長は『おおっ!凄いじゃないか、鶴岡さん!』と満面の笑みで喜んでくださっていると確信しています。


並木会長の「仕事や趣味に全力で取り組む姿勢」、そして「失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢」は、自分自身の成長や会社の発展に不可欠だと感じています。これからも会長から学んだことを胸に、仕事には全力で取り組み、趣味も全力で楽しみながら、前を向いて進んでいきたいと思います。

今月の担当は…

空調衛生施工管理
Tチーム マネージャー
鶴岡 孝人

空調衛生施工管理 Tチーム マネージャー 鶴岡 孝人

それってドーシテ?「冷蔵庫」のドーシテ?

「冷蔵庫」のドーシテ?

フィデス社長コラム
『経営の原点』から並木鷹男会長を偲ぶ(8)

ISO9001の取得と同時に、わが社では「PWC改革」と呼ばれる企業改革がスタートしました。並木会長はバブル崩壊後の縮小する建設市場で生き残り、社員の豊かで幸福な未来を創るためには、新たな経営戦略が必要だと考え、PWCコンサルティングの倉重社長の著書を手に取りました。その内容に感銘を受けた会長は、私を伴ってコンサルティングを依頼するためにPWC社を訪問しました。訪問先では全社員がパソコンを持ち、リアルタイムで情報を共有する様子や余計な資料を置かない「机上ゼロ」のペーパーレス化を目の当たりにし、「理想の業務スタイルだ。これだな、細矢」と会長は強く語っていました。

その後、企業改革を進めるためのミーティングが行われました。まずは現状認識から始まり、「なぜ下請けはだめなのか?ゼネコンに直接営業すれば、営業コストが抑えられるのではないか?」といった声が上がったことをきっかけに、営業経費を含めた工事原価の検証が始まりました。全社員にパソコンが配られ、15分単位で業務内容を入力・共有することで業務の“見える化”を図りました。当時としては画期的な取り組みでしたが、PC操作に不慣れな社員が多かったため、企業改革に対する困惑が高まりました。また、従来の業務に加え、連日連夜にわたるミーティングや新たな業務が発生したことで、労働時間は増加の一途を辿り、やがてピークに達しました。

同時に、風通しの良い組織を目指しフラットなチーム制へと改編されました。3つの独立採算制チームと、それを支える総務チームと品質管理チームを加えた計5つのチームで運営されることになったのです。独立採算制チームでは、受注から施工、引き渡し、アフターメンテナンスまでを一貫して担当。Aチームはベテランの工事部長が率い、Bチームは営業課長が、Cチームは私が責任者を務めました。それぞれのチームには14~15名のメンバーが、職種や能力を考慮して配属され、チームごとの経営が行われました。

しかし、営業経験が乏しい私が率いるチームは苦戦を強いられました。近隣の住宅や小さな工場などを訪問し、「電気設備でお困りごとはありませんか?」といったチラシを配布して受注を目指しましたが、なかなか受注には結びつかず、チームの業績は散々たるものでした。評価面談ではメンバーが涙を流す場面もありました。これらの出来事から、「チーム経営には受注が必須」という認識に至り、売上至上主義に走らざるを得ない状況となりました。そして、下請けの下請けという立場で、バブル崩壊後の厳しい価格競争に巻き込まれ、その結果は大赤字。苦い学びとなりました。この経験を通じて、社員を幸せにするためには“適正な利益”を生み出すビジネスが不可欠であり、「商売は自ら作り、自らの手で売ること」が重要であると実感しました。こうして「脱ゼネコン」を掲げ、直受志向へのシフトの基盤が築かれたのです。

これらの教訓は現在も活かされています。経営管理の手法としてバランススコアカードを採用し、評価システムと連携させながら、社員の成長を目的とした運営が続けられています。情報を共有することで透明性の高い経営管理が可能となり、曖昧だった企業風土を脱却することができました。  企業改革では多くの苦労を伴い、時には厳しい決断を迫られる場面もありました。しかし、その教訓や経験は、現在のフィデスを支える礎となっています。

並木会長は「お客様第一主義は社員第一主義の具現化である」という言葉をよく口にしていました。その結果はどうなったのか、次回シリーズ最終話でお伝えしたいと思います。乞うご期待。

hosoya
設備DEQ
編集後記
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