FIDESレター 2020年10月号
清潔×省エネ=近未来?タッチレス(非接触)型設備機器
非接触(タッチレス)型設備が注目されています!
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、他人が触れたものを触ることがない非接触型、つまり『タッチレス』のシステムが広まりつつあります。少しでも感染リスクを抑えたいという利用者側の要望が高まっているようで、中でも、公共施設や店舗などのトイレや洗面所、一部の照明設備などにおいての非接触化が推進されており、現在、全国的に設備の設置・改修が進められています。
フリートーク・コラム「近未来の始まり」
Fides Freetalk Formation
電気施工管理Gチームの赤羽です。2020年、新型コロナウイルスの影響で世界中が混乱しています。夏にはウイルスが無くなるのでは?という淡い期待を見事に裏切り、猛暑の中でもコロナウイルスの恐怖と戦うことになりました。私たちがいる建設業界においても、コロナウイルスによる打撃は計り知れないものばかりでした。
私は『現場代理人』という、工事の施工管理を行う仕事に就いています。前回の私のコラムにおいて、この施工管理には、四大管理と言われる『原価管理』『品質管理』『安全管理』『工程管理』という四つの管理があることをお伝えしました。これらの管理をいかに上手く立ち回れるかが、現場代理人の仕事において大きなポイントとなります。
ところが、今回のコロナウイルスの影響は、これら全ての管理において大きな影を落としていったのです。まず、コロナウイルスそのものが『安全』を脅かし、政府から休業要請が出されたことで、やむを得ず工事の中止や工期の延期となり、『工程』に目処が立たず、人手不足によって『品質』が危ぶまれ、資材や製品の生産や輸入が追い付かず、『原価』が高騰する…といった状態です。これには私を含め、現場に関わる全ての人が頭を悩ませていました。
しかし、そんな最中、世の中では『テレワーク』という言葉が飛び交い、パソコンやスマートフォンを利用した『WEB会議』が主流になりました。私自身も、会社の社員の方々と行うWEB会議にチャレンジしました。まだ慣れず、おぼつかない状態ではありますが、初めて行ったモニター越しの打ち合わせは、どこかで見たSF漫画のようで、とても不思議な感覚でした。ですが、よくよく考えてみると、いつしか過去に皆が思い描いていた近未来が、今まさにこれから始まるタイミングなのかもしれません。昔ではとても出来なかったことが出来るようになる『きっかけ』になっているのではないでしょうか。まだコロナ禍による景況感が回復するには時間がかかると思われますが、今の日本には確実に何かが変わっていくという雰囲気が感じ取れます。
どうやら私達が思っているよりももっと早く、未来がやってきているようです。この深刻な状況から一転して、生まれ変わった新しくて楽しい生活が『あたりまえ』の世の中になるよう、心から願うばかりです。
今月の担当は…
電気施工管理Gチーム マネージャー 赤羽 紀行
それってドーシテ?「十三夜のドーシテ?」
代表取締役社長 細矢 充
フィデス社長コラム「工事現場に、麒麟を呼ぶ!」
NHKの大河ドラマは、時代背景を予見しながら脚本が書かれるという。“仁のある政治をする為政者が現れると降り立つ聖なる獣・麒麟”を呼ぶのは、一体どの戦国リーダーなのか。明智光秀を主役にした『麒麟がくる』は、このコロナ禍のなか誕生した菅総理に映し出され、日本に麒麟が降り立つことを大いに期待したい。安倍前総理の方針を継承しながら菅総理の色を出す、アベノミクスと一億総活躍社会の実現は、コロナ禍で揺れる今の時代に大きな意味がある。
戦後の日本経済は、高度成長により右肩上がりで成長し続けて来た。その影には、身を粉にして働く猛烈社員、家庭をも顧みない企業戦士により成り立ってきた厳しい歴史がある。サラリーマンにとって長時間労働は勲章のようなものだった。しかし時代は様変わりし、超過労働時間が720時間を越えてはならず、有給休暇も最低5日以上の取得が義務付けられた。漸く人間らしい働き方環境への改善に向けて法も整備され、働き方の意識も変化し始めて来た。これからは更に一歩踏み込んだ“真の働き方改革”に向け、心豊かな社会の実現を期待したい。
しかし相も変わらず、工事現場の長時間労働は解決されていない。建設業界ならではの重層構造や旧態依然の慣習が長時間労働改善の足枷となっている。一方、建設業は様々な障害を乗り越え、苦労して達成する『竣工』という達成感や責任感は、大きな魅力であり、本来なら良いベクトルに向かう筈だが、長時間労働改善の阻害要因となってしまっているのではないかとも考えられる。問題点の一つに、『工事現場の週休二日制と、職人さんの日給月給制度の両立』と言う矛盾があげられる。職人さん達は、3Kといわれる工事現場で身体を張って完成を目指し、身体一つで稼ぎ出すプライドを持ち、そこにやり甲斐を感じて働いている。週休2日制度がなかなか定着しない大きな要因がそこにあるのでは、と考える。もう一つには、品質、工程、原価、安全、調達等の役割を担う現場管理技術者が背負う任務が、余りに大き過ぎることにあるのではないかと考える。私の経験上現場管理は、お客様、設計事務所、主体工事であるゼネコンの監督、施工する協力会社、関連業者との調整役であり、時にはその関係者と強く渡り合って行かなければならない。心身ともに強いストレスを感じる役回りではあるが、仕事のダイナミックさに魅せられ、ついつい時間を忘れてしまうほど夢中になってしまうこともあるのだろう。
そうは言っても今や、労働環境を改善できるか否かは企業の存続に関わる。我社だけでも出来得る対策を生み出したい、そんな思いから労働環境の改善、労働時間の削減を図ろうと施工管理のテレワーク化への挑戦を始めた。もちろん、安全管理や品質管理など、業務が広範囲に渡っているので、管理技術者が現場を離れることは至難ではあるが、工夫をすれば職場を離れて出来る業務もある筈である。手始めに、今期より管理技術者の労働時間の削減を目指し、社内にアドバンスチームを設立した。アドバンスとは『前向き、前進させる、 促進する』という意味を持ち、ベテラン社員をチームリーダーに、サブリーダーには女性を起用し、3名の新入社員を配置して積極的に現場管理業務を支援し分業化を進める。簡単な施工図や竣工書類の作成、ケーブルの行き先を表示する豆札の作成などテレワークで出来る業務を支援することにより、管理技術者は工事品質に大きく影響する安全管理、工程管理に専念し、より高い品質のサービスを提供出来る。また、新入社員には現場施工管理の支援をしながら、現場管理に必要な基本的なスキルをいち早く身に着けられる、と期待する。
お客様や設計事務所、主体工事業者、関連業者と建設業界が一体となって働き方への価値観を変えれば、やがては現場にも“麒麟がくる”筈だ!そう信じて、わが社は厚くて高い建設業界の旧い慣習をぶち壊して改革に挑戦、麒麟を呼ぶ!乞うご期待!