FIDESレター 2018年5月号
身近に潜む事故の元 電源×トラブルシューティング
【事故事例①】テーブルタップからの出火
テーブルタップにシュレッダーとコピー機などの複数の機械をつないで使ったところ、テーブルタップのコード部分の被覆が溶けて火花が散り、出火した。
【原因】テーブルタップの過電流による発熱
【事故事例②】壁付けコンセントからの出火
焦げた臭いがしたので冷蔵庫を動かしてみると、壁付けコンセントに差してある電源コードから出火していた。このコンセントは、長時間冷蔵庫の電源プラグを差し込んだままの状態だった。
【原因】コンセントとプラグの間にホコリが溜まっていた
出火した原因は、冷蔵庫の電源プラグとコンセントとの間にホコリが溜まり、トラッキング現象が発生、そこから火花が発生して、電源コードに火が付いたものとみられています。
トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間に溜まったホコリが、湿気を吸うことによってプラグ両極間で火花放電が繰り返されて絶縁状態が悪くなり、プラグ両極間に電気が流れて発熱し、発火することをいいます。長時間電源プラグをコンセントに差したままにしてある家電製品などには注意が必要です。
フリートーク・コラム「思い出の仕事」
Fides Freetalk Formation
このコーナーが始まってから2度目のコラムとなりました。何を書くか、非常に悩みました。特に私は、趣味もなく、自慢できる特技もありません。なので、仕事について話したいと思います。
私が経験した工事の中で特に印象深い工事は、オープン変電設備の工事でした。最近はキュービクル式が多くなり、オープン変電所は少なくなっていますが、オープン変電所を組み上げる工事は城南電設(旧社名)の得意とする工事の一つです。
30年前は、10名ほどの強面の直営工事班がいました。変電所の作業をしている時の工事班の姿はとてもカッコよく映り、心底憧れたものです。フレームパイプとクランプを使い組み立て、何トンもある変圧器を設置し、パイプに碍子を取付け、高圧ケーブル、電線の配線を行い、高圧断路器、開閉器、配電盤を取付け、配電盤と変圧器をつなぐ銅帯を現地で寸法を取り曲げ、加工を油圧ベンダーで行い、端部を接続用に穴をあけ、銅帯を温めて半田を塗り、仕上げを行い接続する。そして自主検査を行い、受電する。その頃は言われるまま作業していただけで、何の作業をしているか目的もわからず仕事をしていました。
「変電所は、人間の体で言ったら心臓、そして電線ケーブルは血管みたいな物だ。変電所は建物のを活かす為に重要な役割をしている」と言った先輩の言葉は、今でもハッキリ覚えています。
そして昔の職人さんからは、仕事の厳しさも教えられました。怒鳴られながら現場で作業する事も多くありました。しかしその厳しい言葉の中には優しさがあり、安全を保つために、わざと厳しく指導してくれたのと思います。当時は『ケガと弁当は自分持ち』という言葉があり、自分で負ってしまったケガは自己責任、ケガはするなよ、と教えてくれたのです。中には理不尽だと思ったこともありましたが……今となってはいい財産です。このような工事を経験したことが、今の自信に繋がっています。
最近では効率を図る為に仕事を分業するケースが多くなっています。昔の職人さんは、あらゆる作業を1人でやる器用な人が多く、こだわりを持って仕事をしていました。近年は、そういった職人さんが減ってきて、ちょっと寂しさを感じます。また、昔と同じように指導すると、『パワハラ』と取られてしまう点も多くあり、教える側も教え方を学ばないと危険です。ですが、そのような中でも、昔と同じように『事に処して、万全を尽くす』や、『段取り八分』といった、創業者や先輩たちの精神を常に実行し、安全作業を続けてまいります。
今月の担当は…
常務取締役 木島 秀昭
それってドーシテ?「アットマークのドーシテ?」
代表取締役社長 細矢 充
フィデス社長コラム「信頼から生まれたワンストップサービス」
今年の3月頃から、夜中に自宅の天井裏から『バタバタ…』と物音が聞こえ始めた。とある日、何気なしにテレビを観ていると、都心のど真ん中で、民家の天井裏を格好の棲家にしている特定外来種、ハクビシンの捕り物劇が放映されていた。もしや、我が家の天井裏の騒動はそれらの仕業か?と、早速【害獣駆除】というキーワードでネット検索をし、駆除方法や概算費用について専門業者へ尋ねてみた。「細かいことは現地を見てみないと判らないので、よろしければ、明日伺います」とのことだった。
翌日、ネクタイをきっちりと締め、ユニフォームを羽織った男性が来てくれた。名刺を受け取りながら外を見るも、車の中には誰もいない、おや、営業が一人だけ?…これは、ちょっと現場を見て『後日見積書をお送りします』って、いい加減な対応されるのかなと、多少の不安を感じた。だが人は見かけで判断してはいけない。営業と思われる担当者は、物音がした場所や時間など、聞き取り調査を済ませると、ツナギに着替え、タオルで頬かぶりと、戦闘モードの専門職に大変身したのだ。テキパキと建物の外周、床下、天井内と、念入りな調査を始めた。そして、2時間後、タブレットを片手に犯行現場の説明が始まった。映画やテレビドラマの刑事みたいに獣の足跡、壁をかじった痕跡や糞尿などから、犯人はアライグマと断定したのだ。タブレットに映し出された天井裏の状況は見るも無残で、断熱材やエアコン配管などが散乱状態、愕然とした。さらに断熱材で作られたベッドには、手のひらに納まるくらいのアライグマの子供が4匹、はっきりと写っていた。
この専門職いわく、どんな生物でも母性本能があるが、特にアライグマはそれが強く、子供がいなくなると、とことん探しまわるそうだ。今回の場合は、子供だけを駆除して侵入路を塞ぐと、親は子供の救出のために新たな侵入口を開けようとするので、自ら退去するまで辛抱強く待つという。「施工後10年間、絶対に再侵入させません。もし侵入したときは、何度でもやり直します」と専門職が放った殺し文句に痺れ、少し割高に思えたが駆除をお願いすることにした。早速、想定される侵入ルートや天井裏に、監視用カメラ3台を仕掛けた。1週間後にアライグマが一匹の子供を咥え、退去している姿を確認した。さらに1週間後、すべてのアライグマが退去する様子が確認できたので、侵入ルートを完全に封鎖した。この丁寧な仕事ぶりに、ついつい、わが社でも施工できる天井裏の断熱材の敷設までお願いしてしまったのだった。この会社はそもそもリフォーム業であったが、水周りのシロアリ駆除、ゴキブリ、ねずみの駆除などのノウハウが蓄積され、お客様のニーズから害獣駆除が主力商品となった。今では、害獣駆除から始まり、リフォーム工事を頂けるワンストップサービスとなったのだと言う。わが社も全く同じ、お客様のお困りごとからワンストップサービスが始まった。
「今付き合っている空調工事屋は、故障した時に連絡を取ると、メーカーに問い合わせてくれ、メーカーに連絡するとそれは施工が悪い、挙句の果てに電気工事屋に聞いてくれ、と、たらい回しにされちゃって親身に対応してくれないんだ。城南(弊社の旧社名)さんは技術もしっかりしてるし、対応も早い、それに親切で丁寧だから、空調も診て貰えないかな」と。最初は戸惑ったが、協力会社の皆さんにも協力して頂いて、一生懸命技術を磨いてきた。今では、電気工事と同様に、第二の柱として技術も、顧客対応力も、高い評価を頂けるようになってきた。また、計装工事は、創業時からのお客様に「生産ラインの計装工事を頼みたいんだが、見知らぬ業者にはラインの秘匿性があるから頼めない、でも、城南なら信頼できるから、何とか協力してくれないかな」これがきっかけだった。
新人の営業マンが上司に教えられた通り、何でもやります、24時間365日対応はお手のもの、お任せください、と言ったら、「じゃあ電気保安管理やってよ、今頼んでるところがどうも怪しいのよ」と、お願いされた。その時、わが社は未だ保安管理法人の認定が取れていなかったが、それを機会に急いで体制を作り、保安管理法人の認定を取った。今や新たなサービスとして電気の入口から出口まで一気通貫にメンテナンスをさせて頂いている。建築・リニューアル工事においても同様に、お客様から相談を頂くことがままある。ご期待に沿えるよう技術者や供給体制を整え、建築、電気、空調、給排水衛生など、施設の総合的な維持管理について、様々なご要望にお応え出来るような体制を整えつつある。
時には、緊急時のクレーンの修理、蜂の巣の除去、大きなテーブルの移動など、予期せぬお仕事の引き合いを頂いたこともある。どんな時にも『信頼』の経営理念に基づき、お客様の様々なご要望を叶えようと一生懸命やってきたら、結果、それが『ワンストップ・サービス』となった。まさに経営理念の賜物である。
今後、地球規模での環境問題や人口減少、それに伴う技術革新などから新たな課題やニーズが生まれ、異業種間の業務提携や、思いがけないコラボレーションが生まれそうな予感がする。お客様からの予期せぬ要求は、今まで以上に多様化するだろう。お客様のどのようなご要望にもお応え出来るよう、全社を挙げて創意工夫を重ね『あたりまえの、先をゆく』サービスをご提供する、それがフィデスの使命だ。お客様のご要望、お困りごとなど、どんなことでも結構です、是非ともお知らせください。