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FIDESレター

2019年10月より、火を使用するすべての飲食店に消火器の設置が義務化されます。今回は、消火器の設置基準改正についての特集です。-FIDESレター【2019年9月号】

FIDESレター 2019年9月号

消火器の設置基準改正

設置基準改正の概要・背景

平成28年12月、当時消火器具設置義務のなかった小規模飲食店からの火災により拡大した『糸魚川市大規模火災』の教訓を踏まえ、小規模飲食店等における初期消火と火災の拡大防止を図る必要があることから、消火設備の設置基準について見直されました。これまで消防法で消火器が必要な飲食店等は、延べ面積が150㎡以上の規模となっていましたが、2019年10月1日より、延べ面積150㎡未満の火を使用する設備又は器具(防火上有効な措置(下記参照)として総務省令で定める措置が講じられたものを除く)を設けた小規模飲食店等についても消火器の設置が義務付けられます。

消火器の設置について

飲食店においては、消火器は家庭用ではなく、『業務用消火器』を購入するようにしましょう。インターネット等でも購入できますが、なるべくお近くの販売店でお求めになるか、メーカーにお問い合わせください。型式適合検定を受け、消防法に則って設置すること認められた消火器を用いなければなりませんので注意しましょう。また、消火器の設置場所に標識を設置しましょう。標識はスタンドタイプやステッカータイプなどがありますので、消火器の設置場所に応じて、だれでも分かるように表示してください。

消火器の点検報告について

消防用設備等は、もし火災が起こった場合、確実にその機能を発揮できるように維持管理しなければなりません。消防法令により設置が義務付けられた消火器は6か月ごとに点検して、その結果を1年に1回、所定の様式で管轄する消防署に報告する必要があります。(下記QRコードより、パンフレットをご参照下さい)消火器については、製造年から3年(蓄圧式消火器は製造年から5年)以内であれば、自ら点検を行うことができます。(外観のみの点検)この期間を超える消火器については、新しく取替えるか、点検資格者が内部等・機能点検を実施しなければなりません。

フリートーク・コラム「工程管理と段取り」

Fides Freetalk Formation

電気施工管理Gチームの赤羽です。入社してから二十七年という時間が過ぎ去り、今年は元号が平成から令和に変わりました。あっという間、とも、長かった、とも思う今日この頃です。

私はこの数十年間、現場代理人として様々な現場を担当しました。現場代理人は施工管理という仕事を主に行っていますが、この施工管理には四大管理と言われる『原価管理』『品質管理』『安全管理』、そして『工程管理』という四つの管理があります。この『工程管理』は、現場代理人にとってはとても重要な仕事のひとつで、工期を守るために工事全体のスケジュールを把握し、工事の進め方や作業ごとの日程を調整する管理業務です。今回はこの工程管理についてお話しします。

この業界には『現場はナマモノ』という言葉があります。現場を一つ無事に終えるまでに、急な雨が降ってきて作業が中止、仕様の変更が発生…などなど、様々な出来事が目の前にやってきます。なかなか一筋縄ではいきません。それらの要因を一つでも多く回避し、無駄な負担や手間を減らしていくのも現場代理人の仕事です。

ここで必要なのは『段取り力』だと思います。段取りという言葉は、元々歌舞伎の世界で使われていた言葉だそうですが、これにはもう一つ説があり、昔、石段を造っている職人が、坂の長さと勾配を見て、全部で何段の階段にするかという見積りの作業のことを『段を取る』と言っていたそうです。その後、出来上がった石段の出来によって、「段取りが良い」「段取りが悪い」と言われていたそうです。現場代理人の段取りに通ずるものがありますね。まずは全体像を把握し、きちんと準備をして、無駄なく、効率よく作業が進むように、また、この先どんなトラブルが想定されるか?という先読みをして、あらかじめ対策をしておきます。実際に思った通りに工程が進むと、とても嬉しいです。もちろんこれでも予想外の事態が発生することがありますので、油断はできません。段取りの良い工程管理にするには、とても大変ではありますが、その分、とてもやりがいがあります。

私たち技術者にとって、現場のゴールは『完成』にありますが、更にその先には、お客様や施設にとっての『未来』があります。ただの完成では終わらせず、これからお客様が作り出していく未来をより良いものにするお手伝いをしている…そんな意識を持って、現場に臨んでいきたいと思っています。

今月の担当は…

電気施工管理Gチームマネージャー 赤羽 紀行

赤羽 紀行

それってドーシテ?「ハチマキのドーシテ?」

代表取締役社長 細矢 充

フィデス社長コラム「コラボレーションが業界を変える!?」

最近、「企業A×企業B」という表現を多く見かけるようになった。多様化の時代となった現在は、各業種、各社、各人のおかれている状況や価値観は様々である。常に顧客の立場に立った使いやすさ、新たな驚きや喜びを生む商品を創り出すことが企業の生命線であるため、企業側としては新商品・サービスの開発には余念がない。「企業A×企業B」の「×」はコラボレーションを表す。各企業の単体での創造に限界が来たのか、同業・異業種関係なく、企業間のコラボレーションが盛んに行われているのだ。異なる背景や文化を持つ企業同士が協働することによって、良い化学反応を起こし、単なる足し算ではなく、成果を倍増させる掛け算のシナジー効果が期待されている。

先日、建築設計事務所の団体である建設士会から、電気設備や機械設備において基本的なところから知りたいという要望があり、「電気図の読み方」のテーマで講師を務めさせていただいた。建築設計者、これから建築士の資格取得を目指す若者、女性の参加もあり、あの「はやぶさ2」でおなじみのJAXAの方の参加もあった。

これをきっかけに、若い設計者や異業種の方々との交流が始まった。設計業務と言えば、ものをゼロから創造することであり、“閃き”や“発想”が不可欠な上に、様々な情報を集め、それを元に思考する時間も必要である。その結果、予想通りに仕事が進まず、超過労働時間が長いのがあたりまえだが、そんな中、成果主義を定着させ、Enjoy Workingを実践している会社と出会った。

その建築設計事務所は創立2年と若い会社であるが、誰も固定概念や古いしきたりに縛られていない。とにかく、彼らの発想が奇抜なのだ。何か面白いことをしようというコンセプトをもとに、集まったスタッフの顔触れが実に多岐に亘る。建築意匠設計者、設備設計者、アトリエ設計者、不動産担当、マーケティングリサーチ担当、コピーライター、グラフィックデザイナー、メディアプロデューサーといったメンバーでコラボレーションしているのだ。彼らは建物を構築するだけではなく、IT技術を駆使し、お客様の要望に沿ってマーケティング調査を行い、広告戦略や運営も手掛ける。メンバーそれぞれが培ってきた知恵をコラボレーションで切磋琢磨する事によって、一人で考えている時より何倍も素晴らしい価値や突飛なアイデアを生み出すことにチャレンジしている。

さらに、彼らの考え方には、元請け・下請けとか、監督員や施工者、設計者といった既存の立場・カテゴリーはもはや存在しない。既成概念を取り払い、コラボレーションの輪をボーダーレスで社外にまで拡げ、意見を交換しながら知恵を搾れば、より良い商品を適正価格で提供できるようになるというスタンスだ。そうなれば、お客様の要求に合った提案はもちろん、思いもよらない斬新なアイデアで、お客様の心を掴むことも可能である。その上、知恵捻出した全員が、仕事であったり、スキルであったり、ひらめきであったり、なにかしらを享受できる仕組みを構築できるはずだという。このような新奇な発想には心底驚かされたが、今後は、こうした流れが益々加速していくように思われる。

わが社は、お客様との対話を重ねながら、お客様のご要望にお応えし、お客様とのコラボレーションでワンストップサービスを拡充してきた。これからは、思わぬところから、競合業者が飛び出してくるに違いない。現に清掃業や警備会社、ビル管理業者が、設備のメンテナンスや工事を受注しているのだ。また、今までのライバルが、今日は友となることもありうる。我々はまさにそんな転換期に立っており、全く接点のなかった業界とのコラボレーションも視野に入れていく必要がある。価値観や生き方、働き方が多様化している現在において、企業や業界の常識を越えて新たな価値を醸成していくことこそ、今後の社会で必要とされる企業のあり方なのかもしれない。

hosoya
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