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FIDESレター

沿岸部の地域においてよく見かけるのが、金属の『錆び』です。 今回は、設備の塩害についての特集です。-FIDESレター【2018年11月号】

FIDESレター 2018年11月号

設備の塩害

塩害(えんがい)とは?

塩害とは、沿岸部の地域において農作物・その他の植物や電気設備・鉄・コンクリート構造の施設などが塩分によって受ける害のことです。海上の波頭が砕けることで塩水滴が空中に飛び出し、強風で陸上に運ばれることが原因とされています。

塩害が発生する地域は、例えば瀬戸内海の沿岸部の場合、海岸から500m以内を『重塩害地域』、海岸から1km以内を『塩害地域』というように区分されており、メーカーによっては指定した地域での設置を不可にしているところも見受けられます。また、地域によって塩の届く距離に若干の差があり、塩の到達距離に差が出ますので、沿岸から数km離れていても塩害が発生する場合があります。

塩害による設備の被害

屋外キュービクルや外灯などの電気機器の表面や内部機器に塩分を含む風や雨、汚れなどが付着すると、腐食や錆が発生します。盤類の表面が錆びてしまうと、電気機器の絶縁が劣化するだけでなく、塩分を含む外気や水分、虫などが内部に入り込み、さらに腐食が進行、やがては機器の故障や電気部分のショート、屋外キュービクルなどの高圧受変電設備においては周囲一帯に影響を及ぼす波及事故※につながる恐れがあります。(※下記『波及事故とは?』参照)

錆びは腐食による金属の酸化物

腐食とは、化学や生物的な作用により、物体の外見や機能が損なわれる状態のことをさします。例えば食べ物が腐ると見た目がいちじるしく変化して、食べられなくなります。金属の腐食も基本的に食べ物の腐食と仕組みは同じであり、金属がおかれた環境によって金属の表面に化学反応が起きて見た目や機能が損なわれます。

日常、私たちが最も目にする身近な錆びは、鉄(Fe)の錆びですが、これは鉄の酸化物です。鉄の表面に水と酸素があると、鉄の酸化が起きることで化学反応が生じます。表面が水で覆われると鉄分子が一部イオン化し、酸素と水と反応することで、独特の茶褐色の錆びとなります。この錆の場合、錆びている部分と錆びていない部分の電位差により、どんどん奥まで錆が進行し、脆くなってしまいます。

電気設備における塩害対策のポイント

電気設備を屋内に設置することが、最も効果的な塩害対策です。その際に、電気設備を冷却したり、必要最低限の換気を確保するために外気を導入する場合、塩分を含む外気をそのまま導入すると腐食が発生するので、換気用ガラリやダクトの間に除塩フィルタを設置し、導入する空気から塩分を取り除く方法もあります。

電気機器の表面に防錆性能の高い処理を行うことで、塩害対策とする方法です。具体的には分電盤やプルボックス、配管類盤類であれば表面に溶融亜鉛めっきを施したり、耐塩性能の高い塗装を定期的に施す方法にする、また、素材を塩害に強いステンレスにするなど、塗装による手法や素材の変更などによる対策などがあります。

高圧電力の引込を行う場合、高圧気中開閉器(PAS)を設置することがありますが、その塩害対策として、耐塩碍子(がいし)を使用したり、表面にシリコンコンパウンドを塗布するなど、絶縁部を強化することで塩害対策とする方法です。電柱の上部など、露出する電線や受電用機器の塩害対策として広く用いられています。

フリートーク・コラム「継続は力なり!」

Fides Freetalk Formation

『建設業界の新入社員は、入社後三年以内に約半数が離職している』

そんな新聞記事が目にとまりました。私が就職活動をしていた頃、世の中は就職氷河期が終結したばかりでした。決して好景気とは言えず、なかなか内定をとれない同級生がたくさんいました。企業優位の就職活動では、就活生に求められるレベルが高く、本当に苦しい思いをしました。ようやくリーマンショックの傷が癒え始めたこの頃、企業と就活生の立ち位置が変化してきているように感じます。いわゆる『売り手市場』、初任給や賞与、福利厚生、休日数、教育制度等が充実している企業でないと人材が採用し辛くなりました。だからこそ、若者の早期退職は企業にとって死活問題なのです。こんな時代に、毎年フィデスを就職先に選んでくれる学生たちと、採用活動に協力してくださる学校の先生方には心より感謝申し上げます。

私が入社後、総務チームに配属された際に痛感したのは、『もっと勉強しておけば良かった…』という思いでした。商経学部を卒業したにも関わらず、経理の知識を身に付けていなかった私は、まず簿記試験の勉強から始めました。この時ほど、目的意識の低かった大学生活を悔やんだことはありません。貸借対照表?損益計算書?借方と貸方?勘定科目?初めて触れる簿記用語を目にして、『これは日本語なのか?』と、疑いたくなる程でした。早朝に起きて勉強、出社して勉強、昼休みに勉強、帰宅して勉強、そしてまた朝が来る…。昔から何をやっても不器用で上達が遅く、人の二倍・三倍の努力を要していました。そして試験の合格発表は、フィデス伝統の海外研修旅行の出発日でした。空港で同僚が楽しそうに盛り上がっている中、私は恐る恐る試験主催団体のホームページを開いていました。『これで不合格だったら旅行どころではない』と思っていただけに、自分の受験番号が掲載されていた時の感動は今でも忘れられません。『石の上にも三年』という言葉があるように、仕事や勉強、趣味であっても、物事を修得する為には最低三年間続けることが必要なのかもしれません。どんなに不器用な人間でも、コツコツと取り組み続ければ必ず成長しているのです。まさに、『継続は力なり!』を実感した瞬間でした。

巷では、『努力・忍耐・根性』は死語とまで囁かれています。どちらかと言えば、私もそういった時代に生まれた人間です。しかし、仕事や勉強、人間関係など、ありとあらゆるものは、長時間触れてこそ別の側面が見えてくると感じています。若い社員が多い会社には、『明るい未来』があります。私たちの使命である『いつでも、いつまでもお客様へ安心・快適な建築・生産設備をご提供する』為に、若い力を決して絶やしてはいけない。3K(きつい・汚い・危険)と言われる建設業界も、これからどんどん魅力ある業界に変わっていくと確信しています。フィデスに入社した社員が一生涯働きたくなる会社にならなければいけない!『あたりまえの、先を行く』というフィデスのブランドスローガンが、激動の時代へ向かう私たちに勇気を与えてくれます。未来は明るい!と、胸を躍らせた今日この頃でした。

今月の担当は…

総務チームマネージャー 廣山 和仁

それってドーシテ?「道路情報板のドーシテ?」

代表取締役社長 細矢 充

フィデス社長コラム「おかげ様でFIDES10周年!」

2018年10月1日、フィデス株式会社がスタートして無事に10周年を迎えることができました。偏にお客様、協力会社様、わが社をご支援頂きました皆様のおかげでございます。深く感謝申しあげます。

終戦間もない1946年に創業し、電気工事一本で愚直に歩んできた城南電設。千葉県電気工事業の中では、老舗中の老舗である。それが何故、看板である社名の変更に踏み切ったのか、そのきっかけのひとつに『ワンストップサービス』があった。

2006年、お客様のご要望にワンストップサービスでお応えする方針が発表され、全社をあげてワンストップサービスのPRに奔走した。しかし、なかなか電気工事以外の引合いを頂くことができず、苦戦をしていた。当時の並木社長からの「何故なんだ?」という問いに「社名の“電”の字がワンストップサービスの展開を邪魔しているようです」と恐る恐る言い訳染みた報告をしたことを思い出す。並木社長は間髪いれずに「そうか、2010年に社名変更して次世代に継承しようと考えていたところだ!計画より少し早いが社名を変えようじゃないか!」「ならば、天下の電通さんにお願いしよう!」と続けた。えええ!驚きであった。あっという間に『ブランド戦略』社名変更プロジェクトが始動したのだ。

“名は体を表わす” 、社名には大きな意味や意図があるのだ。どんな会社なのか?どんな価値を提供し、何ができる会社なのか、社名で企業文化や独自性を表現し、自社の存在価値を高めていく戦略、コーポレート・アイデンティティ(CI)である。二度と経験できないであろう、一大プロジェクトに全社員が注目し、当然ながら気合が入った。

電通と弊社のプロジェクトメンバー数名でわが社の歴史、経営理念、お客様へのインタビューなど、あらゆる角度から企業のコンセプトを確認しあった。毎週のようにプロジェクト会議が開かれ、熱気を帯びた議論の繰り返しで、三歩進んだかと思えば、二歩下がる。二歩ならいいが、五歩くらい下がってしまうときもあり、困難を極めた。『よし、これだ』と腑に落ちる社名になかなか巡り合えず、何度も何度も提案された候補は100件を超えた。重苦しい空気が流れ、天下の電通も焦っていることが分かった。プロジェクトメンバーからは、60年以上かけて積み上げた城南電設企業の社名は易々捨てられないのでは?と言う意見も上がった。全く、同感であった。しかし、並木社長は「未来に向けて新しい会社を創るのだから、考えぬくんだ。妥協はしない!創業から歴史、実績、お客様は勿論大切だ。しかし、“城南”も“J”の字も残さない!」という確固たる思いには鬼気迫るものを感じた。さらに時間を掛け、議論を重ねるうちに、浮利を追ったり、誤魔化したりしない。とにかく、お客様、地域社会、わが社に関わるすべての人々から信頼される会社を目指すんだ!と経営理念の【信頼】に戻ったのだ。メンバーの顔に困憊の表情が見え始めた頃、ラテン語の格言『信頼(=FIDES)は、魂と同様に、立ち去った場所に二度と戻らない』に出会った。まさしく、“名は体を表わす”素晴らしい社名にめぐり合えた瞬間だった。紆余曲折あったが、ついに2008年10月1日に『フィデス株式会社』が誕生したのだった。

しかし、“新生フィデス”にとって、輝く行き先に立ちはだかった強者は、他の誰でもなく創業62年の“城南電設企業”だった。発音し難いせいか、先輩たちが築き上げた根強い城南ファンが多いのか、“フィデスさん”とは呼ばれず、“城南さん”と呼ばれることが暫し続いた。

さらに神様は試練を与えた。スタートの年2008年のリーマンショックに始まり、翌年には民主党政権や安倍政権の復権など、国内の政変が起こった。2011年には、東日本大震災が日本を暗雲が包んだ。その後、2020東京オリンピック招致決定、景気の回復の兆しから人手不足、少子高齢化、働き方改革など、激変の10年間となった。その試練や激変は“新生フィデスにとってすべてチャンスだったのです。電気・空調・衛生・計装・建築リニューアル・電気保安管理・機器の点検業務など、ワンストップサービスが充実しました。社名変更のきっかけとなった空調・衛生設備工事は、電気工事の売上げを抜かんばかりの勢いで、わが社の第二の柱になり収益に貢献しています。また、電気保安管理においても、業務を通してお客様に施設を安心・安全にお使いいただいております。緊急時には24時間365日対応し、お客様に高い評価を頂戴できるように成長しました。幅広く迅速にお客様のご要望にお応えできるよう、東京支店の供給体制の強化を図り、つくば営業所も開所しました。

おかげ様で、創業時からご愛顧いただいているお客様、新たに引き合いを頂いたお客様にも、繰り返しお仕事をいただいております。また、あり難いことに毎年新入社員を仲間として迎え、来年度には、社名変更後に入社した“フィデスエージ”が“城南世代”を数で上回ります。さらに協力会社様も幅広く増えております。

フィデス株式会社は節目の“10周年”を迎えた今、社名変更の初期の目標は達成し、フィデスブランド戦略は大きな効果を得たと自負しております。引き続き、社名に恥じないよう全社一丸となって精進してまいりますので、ご支援ご鞭撻、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役 社長 細矢 充
社員一同

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