FIDESレター 2019年5月号
エアコンと冷媒とフロン
普段私たちが使っているエアコンが、空気を冷やしたり暖めたりするために欠かせないのが『冷媒』です。今回は、環境問題にも関わっている冷媒とフロンについて特集します。
冷媒の原理
物質が液体から気体に変化する時には周囲から熱を奪い(蒸発熱)、反対に気体から液体に変化する時には周囲に熱を放出します(凝縮熱)。冷媒ガスとして使用される各種の物質は、常温下では気体の状態をとり、圧力を加えると液化します。 冷媒ガスの持つこの仕組みを活用したのが、エアコンなどの空間の温度調節を行う機械です。エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管の中を冷媒ガスが循環しており、この冷媒ガスが空気中の熱を移動させることでお部屋の温度を上げたり下げたりしています。この冷媒ガスが漏れてしまった場合、熱の移動能力が低下し、温度調整ができなくなってしまいます。
冷媒ガスの種類
冷媒ガスとして使用される物質にはいろいろなものがありますが、大きく『CFC』『HCFC』『HFC』の3つの種類に分けることができます。なかでも、HFCのうち『R32』は、オゾン層破壊の影響がないHFC類の冷媒ガスの中でも温暖化への影響が少ないガスで、現在の空調機に使われるスタンダードな冷媒のひとつとなっています。今後はエアコンの普及にともない、地球温暖化係数がより低い冷媒への転換が必要となってきます。
冷媒ガスとフロン類規制の歴史
冷媒ガスとしてもっとも一般的に用いられるのは『フロン類』と称される各種のガスです。20世紀初頭、冷蔵庫にはアンモニアを用いた冷却方式が使われていましたが、アンモニアは取り扱いが難しいため、トーマス・ミッジリーというアメリカの科学者がそれに替わる物質として、1928年にフロンを開発しました。 フロンは人工的に作られたもので、自然界には存在しない物質です。分解しにくく人体にも無害です。フロンは私たちの生活のいろいろなところで使われ、その便利さから『夢の物質』と賞賛されていました。しかし、1974年、アメリカの科学者たちが、フロンが成層圏のオゾンを破壊すると学術雑誌で発表し、その後、南極上空にオゾンホールが発見されたのです。フロンはオゾン層破壊の原因となることを理由として、20世紀後半から特定物質の生産中止を始めとするさまざまな規制が設けられました。これらの物質の生産終了後、安全性の高いさまざまな冷媒ガスが代替活用さるようになりました。そのうち、古い業務用エアコンによく使われていたHCFCの削減・全廃が1987年のモントリオール議定書※にて決められ、2015年には基準生産年(1989年)の10%以下となり、そして2020年には実質全廃となります。(下記グラフ参照)※モントリオール議定書……1987年にカナダのモントリオールで開催された国際連合環境計画会議で採択された、オゾン層を破壊するフロンを規制する内容の議定書。
2015年4月から施行されたフロン排出抑制法において、業務用冷凍空調機器(全ての第一種特定製品※)の点検が義務化されました。この為、ビル用や店舗・オフィス用などの業務用エアコンや業務用スポットエアコンなどにおいて下記のような点検が必要になります。
※第一種特定製品…業務用エアコンディショナー及び冷凍冷蔵機器であって、冷媒としてフロン類が充填されている機器を指します。
フリートーク・コラム「令和元年とゴールデンウィーク」
Fides Freetalk Formation
五月一日は新元号令和元年の施行日です。思い返せば平成という元号になった時さえ、つい最近の事のように感じます。昭和最後の年、昭和六十四年(一九八九年)は、たったの七日間しかありませんでした。一月八日から平成が始まり、私は、昭和四十四年(一九六九年)生まれなのでその年の一月十日、平成元年に二十歳の成人式を迎えました。そして今年、人生三つ目の元号である令和元年の年に五十歳になりました。人生の節目の年に元号が変わり、自分自身も新しい気持ちでスタートすることができました。弊社の社員も平成生まれが多くなり、ただただ、自分が年を取ったことを実感するばかりです。
そんな令和元年のゴールデンウィーク、皆さんはどのように過ごしましたか?このコラムを書いている四月中旬現在、私はゴールデンウィークをどのように過ごすか計画を立てています。今までこの時期には長期休暇が取れなかったので、たまには家族サービスをしようと思い、子供達に休みの予定は何をするかを聞いてみたのですが、二人の娘達もそれぞれの予定があり、親父の相手はしてくれそうもありませんでした。
そこで普段できないような家の仕事、草むしりや車庫の補修・補強を計画しました。現在の車庫は市販品のため、腐食もひどく屋根に穴が空き、雨漏りをしてしまっています。今まで少しずつ直しながら使っていましたが、最近は倉庫としても使えなくなり、車を入れても意味が無く、この機会にまとめて直そうと施工図を描き上げました。あとは実施あるのみです。しかし雨が降ると施工ができないので、雨が降った時は資格取得のための勉強を計画しています。四文字熟語でいう、『晴耕雨読』のような計画です。正直なところ、雨が降らない事を願っています。完成できたかどうか、また機会がありましたら報告いたします。
最後に、車庫について役に立たない情報をひとつご紹介します。車を購入する際に、車庫証明が必要ですよね。しかし、私の住む村は車庫証明が要りません。私の住む村は普通車も車庫証明は不要なのです。千葉県で唯一の村に住む、村人からの情報でした。
今月の担当は…
常務取締役 木島 秀昭
それってドーシテ?「乾電池のドーシテ?」
代表取締役社長 細矢 充
フィデス社長コラム「令和元年、人生の楽しみ方を学ぶ」
令和元年、おめでとうございます。新しい時代を迎え、災害や戦争のない平和な世の中になりますよう、心から願います。
新天皇即位の祝日により、GWが10連休となりました。長い休日に慣れず、どう過ごしたら良いのか戸惑った人もいたのではと思います。そんな勤勉な日本人にとって、“働き甲斐”だけではなく“生き甲斐”を見つけ出すことこそが、真の働き方改革になるのではと思います。
わが社は早くから海外社員旅行を執り行ってきましたが、1996年、米国への社員旅行を転機に、“漫遊”から『海外研修』の色合いが強まりました。同規模の電設工事会社を訪問し、アメリカの発注形態や合理的な工程管理、現場管理、施工方法など、我が国との大きな違いを肌身で感じることが出来ました。特に、発注形態が日本の建設業界特有の重層下請構造ではなく、発注者と受注者がビジネスパートナーとして結ばれ、対等な立場で仕事を進める姿を目の当たりにしたのです。以前から、私達の誠実な仕事をお客様に直接お届けする方法はないものか、と悩んでおりましたが、この視察をきっかけに「直需志向」へと大きく舵を切ったのです。“お叱り”も、“お褒め”も、お客様からダイレクトな反応を頂けるので、社員一人ひとりの技術力、対応力が益々高まり、そして、何よりもの成果は社員の“やり甲斐”が生まれてきたことでした。一方、直受のお客様の多様なご要求に素早く対応するために、労働時間の増大という新たな問題を抱えることになりました。
ヒントは先進国にあり、「あたりまえの先をゆく」フィデスは、米国に続きヨーロッパ諸国にその解を求めました。オランダを皮切りに、ロンドン、パリ、一昨年はドイツを訪問し、夫々の国の労働に対する価値観、働き方の取り組みについて、研修を重ねてきました。その成果だと信じます、労働に対する意識が大きく変化し始め、労働時間は以前より大幅に減少してきました。遅れ馳せながら、我が国でも「働き蜂」と揶揄された今までの働き方が問題視され、政府も「働き方改革」に重い腰を上げ始めましたが、対症療法的にムリヤリ労働時間の短縮だけをターゲットにしているように感じられます。
真の働き方改革は、“Enjoy working”、即ち仕事を楽しむことから始まるのではないでしょうか。やり甲斐を実感しながら、その先の“生き甲斐”を見つけることで、人生は大きく変わる筈です。では、生き甲斐や楽しい働き方とは、どこに解があるのでしょう? 歴訪したヨーロッパ諸国と我が国では、食の楽しみ方一つにも、大きな違いを感じます。日本では「早飯は芸のうち」という諺に象徴されるように、食事より仕事優先、という意識が強いと思います。一方、ヨーロッパ諸国では、ワインを嗜み、最愛の家族や親しい友人達と心ゆくまで歓談しながら、時間を掛けて食事を楽しみます。休日には親戚が集まり、大勢で夕食を共にする光景がそこかしこで見られ、日本では見られないワクワク感が漂っていました。
今年の研修旅行はイタリアに行きます。家族や友人と過ごす時間を大切にする人生の美学、ラテンのおおらかさ、そしてゆとりあるイタリア流人生の楽しみ方、それらを肌で感じ、学んで来ようと思います。以前は社員旅行を海外に、なんてとても言えず、内緒でコソコソと出掛けていましたが、令和という新しい時代を機に、高らかに宣言いたします。全ては、お客様により良い商品とサービスをご提供するため、社員の豊かな人生のため、そして良い会社を創って雇用を拡大する社会貢献のために、今年も6月に海外研修旅行に行って参ります。そして、必ず皆様のお役に立てる何かを掴み、更なるお客様サービスの向上を図り、ご恩返しができるよう努力して参ります。何卒ご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
さて、どんな珍道中が待ち構えておりますやら、今から楽しみです。研修旅行については、フィデスレター7月号でご報告いたしますので、乞うご期待。