FIDESレター 2019年1月号
それってドーシテ?「畳のドーシテ?」
明けましておめでとうございます。皆々様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。わが社も社員一同、無事に新しい年を迎えることができました。これもひとえにご愛顧くださる皆々様のお陰と心から御礼申し上げます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
平成の世になって30年、改元された昭和64年はバブルの真っ只中、仕事は山ほどあり、お断りするのが営業の仕事とまでも言われた、売り手市場の好景気の最中でした。しかし浮かれに浮かれた好況も一時のあだ花に終わり、正しく泡の如くバブル景気は崩壊、わが国はリーマンショックや不安定な政権交代、そして追い討ちを掛けるように東日本大震災に襲われ、一気に不況の波に呑み込まれてしまいました。正に『失われた20年』とも言われる長期のデフレスパイラルに陥ってしまったのです。
それでもピンチはチャンス、未来へ大きな禍根を残した原発事故をきっかけに、省エネルギーや環境保全へ国民の意識は変化し、脱原発社会へ大きく舵を切り始めました。又、高齢化長寿社会を迎え、医学医療分野においてはIPS細胞や免疫療法オプジーボの開発など『人生百年時代』が現実のものとなり、日本人の人生観や価値観までも大きく変化した、平成の30年間であったと思います。更に、IT通信技術が世界のビジネスの主流を握り、第五世代(5G)通信と人工知能とのコラボレーションは、想像を絶する新たな技術や商品とサービスの可能性が予見され、明るい未来へ大きな期待に胸膨らむ思いの平成時代でもありました。新しい元号を戴く2019年、オリンピック関連の工事は終盤を迎え、深刻な人手不足を招くことが懸念されます。
しかし、本当の不安はポストオリンピック、その先の未来なのです。我々は、バブル経済崩壊の恐ろしさを知り、経済の荒波を乗り越える幾多の知恵を、策を『平成時代』に学びました。ダンピングが横行した価格競争の中にあっても「自ら作った商品は、自らの手で売る、決して安売りはしない!」と、この道を選んだ我々は、『全社員営業』でひたすら製造業のお客様を『軒並み飛び込み』で訪問を繰り返し、お仕事を頂けるまで百軒訪問営業を続けました。お客様から頂くお困りごとや相談の数々から、いち早く省エネに着目し、太陽光発電システムや、IT通信技術の普及に伴うPHSや携帯電話のインフラ整備、アンテナ基地局建設工事を重点にして営業活動を進め、又、通信機器の販売、設置工事、リフォーム事業など周辺事業を展開し続けました。
決して全ての事業が軌道に乗った訳ではありません。それでも何一つ無駄はなく、この経験がフィデスの『宝物』となったのです。なかでも、施設の設備全体の施工、点検、維持、管理、リニューアル迄、窓口を一本化してお客様の利便性を高める『ワンストップサービス』は、お客様に『安心と快適』をご提供する最高のサービスに成長いたしました。又、内部体制においては、経営計画を全社員に公開して価値観の共有を図り、脱下請けを目指した直受志向、拠点展開、商品とサービスの拡充など、お客様への提供価値を最大化するよう務めました。更に、高次元の情報システムを採用して生産性の向上を計り、隔年ながら全社員で海外へ視察に出かけて見聞を広め、城南電設からフィデスへの社名変更、働き方改革など、多くの改革に挑戦して来ました。
今から迎える新しい時代は、働き方改革、価値観の共有、生産性の向上、労働力不足など複雑に絡み合う社会問題が山積しています。わが社は、社会の変化やお客様の要求を先取りしてお客様毎にきめ細かにご対応し、これからも更に質の高いお得になるご提案をさせて頂きます。又、お客様、協力会社様と三位一体となって時代の潮流『働き方改革』に挑戦しつつも、ブランドスローガンにある『あたりまえの、先を行く』改革に取り組み、高い技術力、臨機応変の対応力、質の高い商品とサービスをご提供することを、お約束いたします。
本年もより一層のご指導とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
フィデス株式会社 代表取締役社長
細矢 充
社員一同
フリートーク・コラム「初心忘れるべからず」
Fides Freetalk Formation
『初心忘れるべからず!』と言う諺があります。
何事においても、始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを持ち続けていかねばならないという戒めです。輝かしい新年だからこそ、この言葉を二〇一九年の座右の銘としたいと思います。
二〇二〇年オリンピックの年、様々な変化がわが国を、わが社を襲うことになるでしょう。しかし『不易流行』変えてはならないことと、変えなければならないこと、この本質を忘れさえしなければ、どのような変化にも慌てることはありません。
わが社は創業七十二年、フィデスに生まれ変わって十年、初心を忘れることなくお客様の『信頼』を最優先に、創業時に勝るとも劣らないお客様への対応を心がけて参りました。お陰様で下請け体質の業種にありながら、お客様から直接お仕事を頂ける会社に生まれ変われました。
兎角、世の中、業績が伸び始めると、儲かり始めると、この『大切』を忘れ、お客様を無視し、自社のことしか考えない経営に陥りがちです。そしてサービスを低下させ、儲けることと楽することのみに走り始める、こうしてお客様を失い、凋落してしまった会社は枚挙に暇がありません。
昔からよく例に挙げられます。
新鮮で、安くて美味しい小さな街の魚屋さんがありました。口コミでどんどんお客様が増え、大繁盛していました。間口二間のお店は手狭になり、やがて儲かったのでしょう、ビルを建て、立派なお店に変わります。旦那も社長と呼ばれ、店員さんも増え、益々、繁盛していました。
ところがある日、なんか魚の生きが悪いな、前よりちょっと高いな、と思い始め、そう言えばお客さんが減っているな、と。毎日のように通った魚屋さんでしたが、二日に一度になり、三日に一度が月に一度になり、偶に行くと生きの良い魚は見当たらず、値段もかなり高くなっていました。
そしてある日突然店は閉められ、社長は夜逃げした、と聞かされるのです。
初心を忘れたからです。
フィデスは絶対に初心を忘れてはなりません。
創業の年に生まれた私は、創業者の初心を知る由もありません。しかし、創業して七十二年、これだけ続いて来れたのは、創業の精神が真っ当で、いつもお客様を『真ん中』にした経営を続けてきたからに他なりません。そして、その創業者の遺訓『信頼』を十年前の二〇〇八年にラテン語のフィデスと言う新社名に込めて、《城南電設》は新生フィデスに生まれ変わりました。
この『フィデス=信頼』の意味は、どんなに世の中が変化しても、全ての言葉の最上位にあることに変わりありません。働き方改革、入管難民法、AI時代への突入、オリンピック後の建設大不況、などなど、これからも世の中は大きく変化します。この大きな変化の波に呑み込まれないよう、お客様から必要とされるわが社の商品とサービスを更に磨きこみ、『信頼』と言う絆で舫(もや)われた沢山のお客様、協力会社様、そして社員とその家族と共に、安全で豊かな未来を築き上げたいと願います。『初心を忘れることなく』これからも、いつまでもフィデスの創業の精神は変わりません。
今月の担当は…
会長 並木 鷹男