FIDESレター 2024年6月号
水害対策と移動型排水ポンプ
大雨や豪雨が起こりやすくなる季節
梅雨や台風の季節が到来し、大雨や豪雨による災害が懸念される時期になりました。近年は地球温暖化の影響で、大雨の頻度が増加しています。気象庁が発表したデータによると、1時間に50ミリ以上の大雨の発生数が過去の年平均からおよそ1.5倍に増加しているとの結果がでています。
水害の原因
大雨などによる水害が起こる原因には、土砂などによる災害の他に、河川が氾濫する『外水氾濫』と都市型水害である『内水氾濫』があります。外水氾濫は、大雨などで海や川の水量が増えて堤防を越えたり、圧力がかかって決壊した堤防から水が氾濫し浸水してしまうことを指します。一方の内水氾濫は、市街地に大雨が降った際などに下水道や排水路などの排水量が追いつかなくなり、土地や住宅、道路などが浸水してしまうことを指します。
水害が予想される際に気を付けるポイント
天気予報で大雨や台風などが近づいているとされているときは、気象情報や河川情報などの情報収集をしましょう。また、市町村から警報や避難指示が発令された場合は、移動が困難になってしまう前に、出来るだけ早く避難を開始しましょう。他にも、建物へ水が浸入されないように、予め土嚢や水嚢、止水板などを準備したり、溜まってしまった水を外に排出するための排水ポンプの準備もしておくと良いでしょう。
気象情報や河川情報をチェック
避難指示が発令されたら早めに避難
土嚢・水嚢・止水板・排水ポンプなどの準備
移動型排水ポンプで水害対策を!
水害時に役立つ排水ポンプ
排水ポンプは、液体を汲み上げたり移動させたりするために使われるポンプの一種で、水中に本体(もしくは吸水口+ホース)を設置して使用します。家庭用や農業用、工業用など様々な種類がありますが、水害対策用の排水ポンプとしては、取り回しがきく移動型のエンジンポンプのタイプや、水中ポンプタイプのものが利用されています。(排水ポンプ車は大型タイプなので今回は割愛します)
●エンジンタイプ
⇒エンジンで動くので、電源がない所で使える
●水中タイプ
⇒小型のタイプが多いので、取り回しが容易
注意事項
排水ポンプは水を扱う機械なので、使い方を間違えると漏電や感電等の危険があります。ご使用の際は、取扱説明書の記載通りに正しくお使いください。
どんな移動型排水ポンプを選べば良い?
①対応する液体
排水対象となる液体には清水・泥水・汚水・海水など様々な種類があります。通常の水中ポンプは、清水(固形物を含まない水)での使用を前提としていますが、泥水などで使用する場合は、詰まりによる故障を防ぐために汚水用ポンプを使う必要があります。他にも、腐食性のある海水などで使う場合は、耐海水用などの専用のポンプを選びましょう。
②排水ポンプの能力(全揚程、吐出量、出力)
排水ポンプのカタログには、各ポンプ毎に能力値が定められた『性能曲線図』というグラフが記載されています。この性能曲線図には、『全揚程(ぜんようてい)』と『吐出量(としゅつりょう)』の二つの値が記されており、全揚程と吐出量の関係性が分かるようになっています。また、カタログなどで記載されている数値通りの能力が、実際に発揮されるとは限りません。ポンプの設置場所や環境、接続するホースの長さなどによって発揮される性能が違ってくるので、余裕をもった選定が必要です。
【揚程】
揚程は、ポンプが水を吸い込む水面から、吐出する水面までの高さです。『何メートルの高さまで水を持ち上げられるのか』を表します。全揚程は、高さではわからない圧力や摩擦損失などをすべて含めた揚程のことを指します。
【吐出量】
ポンプが水を排出する量を表します。『1分間で何リットル排水できるのか』を表し、この数値が大きいほど排水を短時間で行えます。
【出力】
出力は、水中ポンプが排水を送り出す力を表しています。この数値が大きいほど、水を送り出す力が強いので、吐出量も多くなります。
フィデスでは、排水ポンプに関するご相談や工事のご依頼など承っております。お気軽にご連絡ください!
フリートーク・コラム「野菜作りで感じたこと」
ここ数年、家庭菜園とまではいきませんが、野菜作りに夢中になっています。
始めたばかりの頃は何も知識がない状態で、「何でもいいからホームセンターで苗を買ってきて植えてみよう」「苗からなら簡単に収穫できるだろう」と思い、家族や周りの友人に何を育てたらよいかを尋ね、ミニトマトを育てることになりました。早速苗を買ってきて植え、水をあげて成長を見守っていたのですが、何だかどうも弱々しいというか、頼りないような気がします。外出時にふと農家さんの野菜畑を目にすると、その野菜の幹は太く、生育も良い状態で、自分が植えた野菜とは大分違うなあ、どうしてだろう?と思いました。そこで野菜作りの本やテレビ、インターネット等で調べてみると、どうやら肥料が足りないということが分かりました。肥料を買ってきてミニトマトに与えてみると、葉の色や幹の状態が良くなり、元気になりました。結果、ミニトマトはそこそこの収穫となりました。苗を植えるだけで収穫できればいいな、などと思っていましたが、やはりその考えは甘かったようです。ちゃんと生育の状態を観察して、手間をかけて育てないといけないな、と感じました。
翌年からは土に肥料を混ぜて、耕してから植えるようにしました。そしてミニトマトに加えてナスも植えてみました。ミニトマトは自分なりにはうまく育てられたと思いましたが、ナスの収穫はイマイチでした。更に翌年は、苗だけでなく種から育ててみようと思い、トウモロコシに挑戦しましたが、実がつき始めたころから生育が悪くなり、最終的には少ししか収穫できませんでした。やはり苗からの方が良かったのかな、と思いました。その後はまた違うものを育ててみようと思い、枝豆に挑戦しました。トウモロコシと違って種の数も多かったので、失敗してもそれなりに収穫できるだろうと思い撒いてみたところ、結果的にそれなりに収穫でき、ビールと一緒に美味しくいただきました。
気が付くと色んな野菜を試行錯誤しながら育てていました。失敗しても、その経験は次への糧となるので、決して無駄ではなかったと思います。野菜はその個体によって育て方が異なり、中々育て方のマニュアル通りにはいきません。人に例えると、それは『個性』のようだと思います。何より、この野菜作りにおいて一番感じたことが『やってみないと分からない』ということです。実際に土に触れ、野菜を生育して、トラブルが起こった際には調べて考え、対処をし、ああでもない、こうでもない、とやってみて、やがて訪れる収穫を楽しむのです。そうした中で、野菜と一緒に自分の心も成長していくのを感じるようになるのでしょう。これからも少しずつ育てる野菜の数を増やして、より大きく、より多く収穫できるように挑戦していこうと思います。
今月の担当は…
安管理チーム チームリーダー
熊谷 純司
それってドーシテ?「サラダ油のドーシテ?」
代表取締役社長 細矢 充
フィデス社長コラム
人生100年!「匠」とテクノロジーの融合
わが社では創業者の精神「天知る地知る人知らざるも我は知る」を行動規範と掲げ、他人が見ていない場面でも正しい行動を取ることを我々の信条としています。
ゴルフ規則の第一条には「プレーヤーの行動基準」として、「誠実に行動すること、プレーのあらゆる面で正直である」と記されており、相通ずるところがあります。ゴルフ場は広く、プレーヤー一人ひとりに審判が付くことは不可能であるため、ルール判定は自己判断が基本です。この自律した判定は、高い倫理観と自己管理を求めるゴルフの伝統に基づいています。「ゴルフは、コースや風など自然との闘いであり、メンタルのスポーツである」と言われる所以です。
近頃、スポーツ界では試合の公平さを保つために最新技術が導入されています。サッカーにおいては、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が細かいオフサイド判定などに利用され、試合の醍醐味が向上しています。日本代表の三苫選手の得点が僅か1mmの差で認められ、大きな話題となりました。テクノロジーがより正確で公平な判定を可能にし、スポーツの競技の質が改善されていると感じます。観戦しているフアンにとっても、納得できる判定により後味の悪さが無くなり、試合もリズミカルに進み、とてもいい効果が生まれています。
わが社は、経営理念に基づき、信じて任せる信任主義で業務を自主的に進めています。お客様の要求事項を理解した上で一人ひとりが責任を持って検査を行い、商品やサービスの出来栄えや品質保証を引き続いて約束いたします。
かつて、わが社は現場担当者個々の技術に依存していたため、作業プロセスは全く標準化されていませんでした。先輩や同僚に相談しても意見が人様々で、結局は我流で業務を進めることもありました。当然ながら一定の品質が保てません。わが社では25年前に千葉県建設業界で初めてISOを取得し、品質マニュアルでノウハウの共有化を図り、新たな進歩を遂げました。現在では、クレームや労働災害も減少し、多くのお客様からご愛顧いただけるようになりました。しかし、規範や基準だけでなく、実証された裏付けを忘れては本末転倒です。スポーツの世界がテクノロジーを活用して公正な判定を確保しているように、私たちも測定データを無線で転送する機器やウェアラブルカメラなど、最新デジタル技術を利用して客観的に品質を確保します。
ただ、匠の技やアナログ的な感性は大切なノウハウです。AIなどテクノロジーが目覚ましく変化する昨今、一人ひとりの既存スキルをリスキリングすることにより、誰でも活躍できるチャンスが来ました。ベテラン技術者や匠にとって、デジタルという“翼”を身に付けることで新たな技術が生まれ、人生100年時代を迎えて新たな担い手たちと共に長く有意義に働けると強く感じます。これはわが社だけに限らず、人材不足など課題を抱える建設業界に新たな可能性を示し、持続可能な建設業の未来に繋がっていると確信しています。