FIDESレター 2024年10月号
高天井用照明器具
▼様々な施設に取付けられている高天井用照明器具
高天井用照明器具は、天井の高さが6メートル以上の空間に設置される照明器具であり、主に体育館、アリーナ、工場、大型商業施設、倉庫などで使用されています。これらの施設における空間では、広範囲を明るく照らすために高出力の光源が必要になるため、HIDランプなどが多く使われています。
HID照明について
▼HID照明器具とは?HIDランプとは?
HID照明器具は、HIDランプを搭載した照明器具であり、HIDランプは高輝度放電灯(High Intensity Discharge Lamp)の略称です。メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、水銀灯などを総称したものであり、1960年代から現代に至るまで、様々な用途で利用されてきました。
▼水銀ランプは生産を終了しています
水俣条約により、水銀を使用した製品は2021年以降、製造・輸出・輸入が原則禁止となりました。それに伴い、HIDランプの受注は2023年9月末に終了し、2024年3月末に生産が終了しました。(パナソニック社発表)これに伴い、HID照明器具から、LED照明へのリニューアルが推奨されています。
LED照明は省エネで長寿命というメリットがあり、環境にも優しい機器です。HIDランプからLED照明への更新は、エネルギーコストの削減や、メンテナンスの手間を減らすことができます。
照明器具まるごとリニューアルのおすすめ
▼10年過ぎた照明器具は劣化が進んでいる?
水銀灯からLEDに切り替える際には、ランプのみLEDに交換するのではなく、器具ごとリニューアルすることをお勧めしています。
ランプに耐用年限があるように照明器具本体にも耐用年限があります。器具耐用年限の目安は8~10年です。耐用年限を過ぎた照明器具は外観だけでは判断できない器具の劣化が進んでいます。例えば、器具内の安定器が絶縁劣化によって発煙する事故や、コイルの異常発熱による断線、コンデンサケースの破損など、様々なケースが報告されています。器具の使用年数を確認して、交換時期を踏まえたリニューアルをご検討ください。
設置から15年以上経過している電動昇降装置(オートリフター)撤去のお願い
▼電動昇降装置について
電動昇降装置は、ランプ交換や器具の清掃が困難な高天井用照明器具と併せて使用することにより、操作盤・制御盤を介して電動で昇降させる装置です。器具の保守点検を地上で簡単かつ安全に行うことができます。ただし、ランプ交換の必要がないLED照明器具の普及により、電動昇降装置は、2014年9月までに全製造メーカーが生産終了しています。※住宅向電動昇降装置は除く
▼LED照明器具とHID照明器具専用電動昇降装置との組み合わせは行わないでください
昇降装置は、照明器具の使用中にランプ交換などが必要であったHIDランプなどの保守メンテナンス用途に設計されたものです。万が一事故やトラブルが発生しても、PL法(製造者責任法)は適用されません。
▼LED照明器具取付の際は電動昇降装置を撤去して下さい
電動昇降装置の耐用の限度は15年です。昇降装置には耐用の限度があり、設置して8年~10年を経過したり昇降回数が増えていくと、外観に異常がなくても内部の劣化は進行しています。設置から15年以上経過している場合は、落下につながる可能性もございますので、昇降装置を撤去の上、LED照明などの新しい器具への交換をおすすめします。
一般社団法人 日本照明工業会から「安全チェックシート」が発行されていますので、確認してみましょう!
高天井照明器具の工事はフィデスにおまかせください!
体育館、アリーナ、工場、大型商業施設、倉庫などに設置する高天井照明器具の新設・更新工事は、 是非とも弊社フィデスにおまかせ下さい。 また、LEDやHID照明や電動昇降装置など、照明設備のお困りごとやわからないことなどありましたら、弊社営業担当までお問い合わせください。
設計から工事の施工、点検・メンテナンスまでトータルサポート致します!
フリートーク・コラム「並木会長との思い出」
並木会長がご逝去されてから三ヶ月が経ち、今でも思い出すのは、会長の大きな声での挨拶や、「行ってらっしゃい、気を付けて!」「お帰り」「ご苦労様」の声掛けです。目標達成への情熱や、社員への優しさ、思いやりの言葉などを思い出し、改めて会長の存在の大きさを感じています。
入社して三十七年間、多くの体験をさせていただきました。他では経験できないことを多く知り、学ぶことができました。並木会長との出会いがなければ、今の私はありえなかったと思います。本当に感謝しかありません。
以前、我が社では多くのイベントが行われていました。なかでも社員と社員の家族が参加できる「家族会」は、夏に海に行き地引網やスイカ割り、バーベキュー、海の家を借りて、社員だけでなく社員の家族も一緒に参加して楽しい時間を共有しました。家族を連れた社員さんの仕事の時には見れない別の顔も見れて、「社員は家族」という印象を強く感じたイベントでした。当時大網支店にいた私は、本社の人たちや大型現場で会社にあまり帰ってこない人たちとの交流もできましたし、社員だけでなくその家族まで知ることで奥深いコミュニケーションを取ることができました。今の時代では、なかなか開催するのは難しいかもしれませんが…。
社員内の同志で行くスキーツアーもありました。プライベートで月に一、二回スキーの予定を入れて現場工程を組んでいるときに当時現場で一緒に仕事をしていた細矢社長に、「会社でもやろう」と言われ、急遽宿の手配とバスの準備をしたことを思い出します。スキーイベントを開催すると、並木会長は毎回参加してくださいました。会長は、少し風邪気味であっても、「栄養ドリンクと薬を飲めば大丈夫」と言って、強制的に回復しつつ参加してくださったこともありました。
また、私がゴルフを始めるきっかけを作ったのも、当時社長であった並木会長でした。私があるお客様の担当になり現場で仕事をしているときに「木島君、名前出しといたから」と言われ、「え!何ですか」と聞くと「ゴルフコンペだから、ゴルフできるよね、よろしくね」とお願いされたのです。その当時の私はクラブも持っておらず、ましてやコースにも出たことがなかったのです。あわててクラブを兄に借り、靴は買って急遽練習所に行き、猛練習をした後、多少ボールにクラブが当たる程度でゴルフデビューをしました。スコアは想像にお任せします。その時の記憶はほとんど残っていませんが、「すみません」の連発とクラブを三、四本持って走り回った記憶しか残っていません。今に至ってはゴルフの経験年数は重ねてきたものの、スコアは経験年数ほどの変化はないです。ゴルフは難しいですね。あとから先輩たちに聞くと、並木会長はゴルフが好きではなかったことを聞き、なるほど、と納得しました。
些細な思い出話ではありましたが、並木会長には、仕事や業務以外でも社会人として多くのことを学ばせていただきました。本当にありがとうございました。
今月の担当は…
常務取締役
木島 秀昭
それってドーシテ?「いの一番のドーシテ?」
代表取締役社長 細矢 充
フィデス社長コラム
『経営の原点』から並木鷹男会長を偲ぶ(4)
前号から引き続き、「お客様第一主義」を軸に、わが社が環境整備に取り組み、どのように進化してきたのかについてお話し致します。
『環境整備』と聞くと、整理・整頓・清潔・清掃を思い浮かべると思いますが、わが社では 親切・丁寧なお客様対応を含めた活動を大切にしてきました。並木会長は、特にお客様対応においては、経営者特有の“せっかちさ”から、単なるスピード対応では満足せず、“スーパー”スピード対応を求められたのです。そのルーツを遡れば、並木会長の父親である創業者の並木昭氏の思想に行き着きます。創業当時の電気設備は非常に脆弱で、台風や大雨による停電などの不測の事態が発生すると、創業者自らが合羽を着て現場に駆けつけたといいます。やはり血は争えない!その息子である並木会長は、携帯電話が普及していない時代に、枕元に“緊急ホットライン”を設け、お客様の安心と安全を求め続けました。
不思議なことに不測の事態は深夜や休日に起こるものです。お客様の病院施設の電柱に車が突っ込み停電、門型クレーンが突然のトラブルで深夜がゆえに専門業者に連絡がつかず、「そうだ城南に電話してみよう」と急遽の依頼を頂くのです。その対応回数は計り知れません。その対応の速さから、「消防車より早い」と評価を頂いたこともありました。緊急対応は、社員や協力会社の迅速な対応、技術力、そして豊富なノウハウがあってこそ成り立ちます。我々にとって、お客様の緊急事態にお役に立てることは存在価値であり誇りとなっているのです。今日までわが社を支えてきた武器の一つであることは間違いありません。しかし、並木会長は我々社員の負担を少しでも軽減し、さらになるスピード対応を目指し、『設備eカルテ』の情報システム開発に着手しました。通信環境やIT技術の普及の遅れ等により思うように進んでいないところもありますが、創業者の精神が込められた24時間365日対応のシステムですので、諦めることなく開発を進めています。
さらに、経営計画書には、『お客様との約束の時間は10分前到着』・『見積もりは期限の1日前に提出』と明確にしています。単に迅速な対応を求めるだけでなく、常にお客様の立場に立って考え行動することを求めています。そして、電話は『2コール以内』に「毎度ありがとうございます、フィデスの細矢です」と応対し、お問い合わせには『10分以内』に回答するという行動基準を数値化して顧客対応を促しました。また、明るく元気な挨拶や清潔感のある身だしなみも、お客様との心が通った関係づくりに繋がっています。このような環境整備の方針がフィデスの強みを生み出し、また、お客様の安全と安心を最優先に考える姿勢が、フィデスのDNAとして根付いていることを物語っています。
これまで2回にわたって環境整備の裏側についてお話ししてきました。環境整備は、事業活動の原点であり、終わりのない取り組みです。一倉先生は「環境整備をすれば良い会社になる」と仰いました。環境整備の精神のもと、全社員が一丸となって、並木イズム『お客様第一主義』を全力で貫いていく所存です。
“昔から「突飛」な発想をする細矢現社長が企画会議で突如言い出した。「社長、もっとアメリカ的な経営をしてください」と。”(『経営の原点』より)
次号では“アメリカ的な経営” の舞台裏をお話します。(続く)